文学作品

蓮實重彦 監督小津安二郎について Shigehiko Hasumi About director Yasujiro Ozu

こんにちは。6月終わりました。最近時間の流れが速くて焦っています。この本はかなり前に買っておいて、この頃ぽつりぽつり読み始めました。蓮實重彦の独特な文章は映画抜きにして面白いです。黒沢清も少なからず影響を受けていると思います。小津安二郎の評…

吾妻ひでお カオスノートについて Hideo Azuma About Chaos Note

こんにちは。まず全然関係ないことを書きます。最近水木しげるの「恐怖 貸本名作選」を読みました。絵柄がまず貸本時代(1960年代)なのでアシスタントも使わずに1人で描いて時代の水木漫画です。なので後期のあの「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる極端にデ…

トーマス・オット THE NUMBER 73304-23-4153-6-96-8について Thomas Ott About THE NUMBER 73304-23-4153-6-96-8

こんにちは。amazonで頼んで今日来ました。トーマス・オットはスイスの漫画家です。画材にスクラッチボードという黒い紙を削って白の線を彫り出すものを使っているため、版画のような白黒反転した暗い画面に仕上がります。YouTubeにトーマス・オットが制作し…

黒沢清 黒沢清の全貌について Kiyoshi Kurosawa  About the whole picture Kiyoshi Kurosawa

こんにちは。amazonで頼んで読みました。エッセイも少しありましたが、多くは対談を載せている対談集です。どちらかといえば近年の黒沢作品についての対談が多く、黒沢清の作品に対する心境の変化を知れてとても有意義でした。僕も一度通して黒沢作品は全部…

高畑勲 映画を作りながら考えたことⅡについて Isao Takahata About Thinking while making a movie Ⅱ 

こんにちは。明日届くはずが今日届きました。そしてやはり面白いです。まだ50ページくらいしか読んでいませんが、僕は本当に高畑勲の熱心なファンなのだろうと思います。高畑勲の文章が好きなこともあります。ですが文章以上に作品が雄弁に高畑勲の思想を語…

谷岡ヤスジ 谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明について Yasuji Tanioka Yasuji Tanioka Masterpiece Selection: Proof of Genius

こんにちは。タイトルに谷岡ヤスジ、と書きましたが、谷岡ヤスジ傑作選なので実業之日本社が編纂した作品集です。僕としては初谷岡ヤスジで少し緊張しながら読みましたが、初っ端から終わりまで下ネタのオンパレードで良くこれが商業雑誌に載っていたな、と…

吾妻ひでお 失踪日記 失踪日記2について Hideo Azuma About Disappearance Diary And Disappearance Diary 2

こんにちは。3月も半ばに来ました。早いです。この二冊は今日一気に読破しました。久しぶりに集中して読書しました。単純に滅茶苦茶面白かったです。僕は元々ドキュメンタリーとかが結構好きで、ひとりの人間の人生にフォーカスした話が好きです。しかもこの…

吾妻ひでお 不条理日記について Hideo Azuma About the Irrational Diary

こんにちは。amazonで頼んだものが今日届きました。事前知識として夏目房之助の「漫画はなぜ面白いのか」での吾妻ひでおについての解説を聞いていたので、すんなり読めました。意味が崩壊していく漫画はアイデアさえあれば誰でも描けそうですが、実はそう簡…

高野文子 ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事について Fumiko Takano About the new work of Lucky Girl

こんにちは。絵上手いです。いきなり書きましたが本当に上手いです。どうやら肝はトーンの使い方みたいですね。この作品は1986年から1987年にかけて連載された作品です。「絶対安全剃刀」(1982)の「うらがえしの黒い猫」や「おともだち」(1983)の「デイ…

高野文子 ドミトリーともきんすについて Fumiko Takano About Dormitory TomoKins

こんにちは。この「ドミトリーともきんす」(2014)は漫画の形としては高野文子の最も新しい作品です。始めにあとがきを読んで思ったことを書きます。僕はあとがきを読むのが結構好きです。作家が作品の世界から現実に帰ってきて、こちらに語りかけてくれる…

大友克洋 Short Peaceについて Katsuhiro Otomo About Short Peace

こんにちは。同名の映画「SHORT PEACE」(2013)がありますが、この「Short Peace」(1979)と収録されている内容は全く違います。今回、大友克洋の初期の作品を初めて読みましたが、一番感じたのは手塚治虫や石ノ森章太郎の漫画の形式を踏襲しつつ、細かい…

高野文子 絶対安全剃刀について Fumiko Takano About absolute safety sword

こんにちは。節分ですがもう大人なので豆は撒きません。「絶対安全剃刀」(1982)を読みました。昨日は「黄色い本~ジャック・チボーというの名の友人~」(2002)を読み、昨日の今日で頭が混乱していますが、高野文子について僕なりに調べた結果をここにまと…

大友克洋 童夢について Katsuhiro Otomo About Domu

こんにちは。これも本当に何年も探していてようやく手に入れた本です。この本を読む前に僕の中には事前知識として「BS漫画夜話」の「童夢」(1980)の回がありました。それを踏まえて読んだので結構楽しめました。随分前に見たのでうろ覚えなのですが大きく…

高野文子 黄色い本〜ジャック・チボーという名の友人〜について Fumiko Takano About the yellow book - a friend named Jack Chibaud

こんにちは。前からずっと欲しかったものでした。高野文子は時代ごとに全く絵柄が変わっていくのが特徴です。この作品の絵の場合は恐らく資料をあまり見ずに極力頭の中の世界を映し取った感じでしょうか。巻末にも説明がありますが、この作品で引用されてい…

アイザック・アシモフ ファウンデーションについて About Isaac Asimov Foundation

こんにちは。やっと読み始めることができました。遡ってみると、この書籍を購入したのは2021年10月6日でした。読み出すと凄く面白いのですが、冒頭から専門用語が沢山出てきて、読むのに苦労しました。アイザック・アシモフについて調べると、この本は22歳の…

諸星大二郎 グリムのような物語 トュルーデおばさんについて

こんにちは。諸星大二郎面白いです。今まで何故読まなかったのか、多分絵の雰囲気が好みと合わなかったからなのですが、読んでいる内に慣れてきます。絵は下手な訳ではなく、恐らく影響を受けている作品から来ている描き方なのでしょう。こういうラフスケッ…

ブノワ・ペータース作 フランソワ・スクイテン画 闇の国々について  Story by Benoit Peters Drawing François Squiten About the Lands of Darkness

こんにちは。初バンド・デシネを読みました。初めは取っ付きにくい感じでしたが、徐々に惹き込まれました。僕はまずお試しで1巻だけ購入しました。1巻には3つの話が入っています。「狂騒のユルビガンド」はポリティカルフィクションでありディザスターフィル…

高畑勲 アニメーション、折りにふれてについて

こんにちは。やっと読み終わりました。ゆっくり時間をかけて読みました。高畑勲のものの考えた方とかが好きです。尊敬しています。高畑勲の葬式で宮崎駿が高畑勲と出会ったことで得た教養や経験について涙ながらに語っていました。一度でいいから会ってみた…

中川李枝子 いやいやえんについて

こんにちは。金高堂でようやく見つけて買いました。探していた本を見つける感覚は正にその本と出会う、という表現がピッタリです。一度児童文学のコーナーを探して無かったのですが、帰りがけもう一度だけ、と探しているとひょっこりと現れました。いや嬉し…

高野文子 るきさんについて

こんにちは。金高堂で買いました。ひとつの話は大体15コマくらいの短い新聞連載のような感じの話です。こういう日常を切り取った作品は沢山ありますが、「るきさん」は少しだけズレた日常を描いています。街中に居る変わった人の日常を覗き見ている感覚です…

ひさうちみちお 義経の赤い春について

こんにちは。歴史ものの漫画の絵柄は大体劇画調のタッチです。劇画とはそれまでの手塚治虫的な漫画に対抗して1960年代に作られたもので、1960年代の学生運動などにも影響を与えたらしいです。つまり主に若者に支持されたのですね。劇画という言葉は辰巳ヨシ…

杉浦日向子 百日紅について

こんにちは。杉浦日向子は丁度江戸時代のことを調べているときに出会った作家です。一番初めに読んだのは「一日江戸人」でした。簡単でわかり易く江戸時代の町の雰囲気を上手く伝えていて、すぐに好きになりました。江戸時代の日本は当時世界で一番の人口の…

中山昌亮 後遺症ラジオについて

こんにちは。この漫画は僕が高校生くらいの時に初めて読みました。話は短編集のような感じですが、巻を重ねるごとに一見関係のないような出来事が徐々に繋がっていきます。ホラーを漫画で表現しようとすると、楳津かずおか水木しげるか伊藤潤二のどれかにな…

夏目漱石 それからについて

こんにちは。夏目漱石を読もうと思ったきっかけは宮崎駿が好きで読んでいることをなにかのドキュメントで観たからです。調べてみると昔は国民的な小説家だったそうですね。「それから」はまだ読み切っていません。何しろページは少ないのですが、文章量がぎ…

高野文子 おともだちについて

こんにちは。随分前に買っていた本です。BOOKOFFに奇跡的にあった一冊でした。高野文子は「絶対安全剃刀」の老女を幼女に描いた話から知りました。その時は漫画のニューウェーブを調べていて、さべあのまやあすなひろしなどを探していて偶然見つけました。日…

堤抄子 クラリオンの子どもたちについて

こんにちは。宮崎駿が「出発点」でこの作品について書いていて、調べるとGOOGLEPLAYブックスで電子書籍として販売されていたのですぐに買いました。全体としてSFのテーマが多く宇宙の描写などの専門的な知識が多く盛り込まれつつ、絵柄は少女漫画のようで、…

司馬遼太郎 竜馬がゆくについて

こんにちは。まだ一巻しか読んでいないのですが、一応今の所の感想を書きます。司馬遼太郎を初めて読んだのは大学生の頃で北辰一刀流の開祖、千葉周作を描いた「北斗の人」でした。何故それを読もうと思ったのか覚えていないのですが、歴史小説自体読むのが…

丸尾末広 笑う吸血鬼について

こんにちは。アングラ文化というものがあります。カウンターカルチャーとも言います。大きな流れに与しない、格好良い文化です。僕が初めて触れたアングラ文化は「ダレン・シャン」という児童小説に登場したフリークサーカスでした。奇形の人間、異形の人間…

伊藤潤二 うずまきについて

こんにちは。伊藤潤二も好きな漫画家の一人です。本人も公言していますが、大友克洋や楳図かずおの影響を受けていて絵が抜群に上手いです。あと女の子が可愛いです。でも一番の特徴は話にあります。「うずまき」の場合はうずまき模様が話の主軸におかれ、そ…

ひさうちみちお 夢の贈物について

こんにちは。ひさうちみちおについて書く前にニューウェーブに書いておく必要があります。ニューウェーブとは、まあ今の時代インターネットで調べれば一発で出ますが、1970年代から80年代初頭に現れた新しい漫画のことです。それまで漫画は少年漫画、青年漫…