伊藤潤二 うずまきについて

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こんにちは。伊藤潤二も好きな漫画家の一人です。本人も公言していますが、大友克洋楳図かずおの影響を受けていて絵が抜群に上手いです。あと女の子が可愛いです。でも一番の特徴は話にあります。「うずまき」の場合はうずまき模様が話の主軸におかれ、それを巡り人々がおかしくなっていきます。人々の狂気をコミカルに描くのが上手いです。設定はギャグなのですが、絵が徹底してリアルなのでそのギャップが面白いです。元々短編が上手な作家だと思うのですが、この話は長編なので、設定が歪んで世界が崩壊していきます。これは「富江」や「ギョ」などにも通じる伊藤潤二の終末論という感じでしょうか。伊藤潤二の特徴として見た目のコンプレックスなどを飛躍して表現するということがあります。「うずまき」は伊藤潤二の世界を理解する上で一番分かりやすいバイブルのようなものです。額のうすまきに吸い込まれる少女、髪の毛のバトル、ヒトマイマイ、そして町全体に現象が及ぶことなどです。展開も独特です。災害の後のような瓦礫の町で竜巻にのる暴走族のようなものが現れたり、ラストはクトュルフ神話のような終わり方です。世界的にみてもこういう個性的な漫画家はあまりいないのではないでしょうか。