堤抄子 クラリオンの子どもたちについて

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こんにちは。宮崎駿が「出発点」でこの作品について書いていて、調べるとGOOGLEPLAYブックスで電子書籍として販売されていたのですぐに買いました。全体としてSFのテーマが多く宇宙の描写などの専門的な知識が多く盛り込まれつつ、絵柄は少女漫画のようで、大島弓子と少し似ていると思いました。違うのは大島弓子はデザイン的な簡略化の道を選びましたが、堤抄子の場合は大友克洋のような書き込む方の道を選んでいる所です。本のレビューを読むと古いSFのようだ、と書いている方がいました。僕はSFについて全く知らないので、いわゆる古典と呼ばれるSFはSF小説だと思うのですが、それを知らないので知っていたらもっと面白いと思いました。しかし作家の漫画の力量はとても感じました。色々な引き出しがあってその状況によって変化できるような印象を持ちました。こういう絵柄は誰に似ているのかと考えると「攻殻機動隊」の士郎正宗や「GTO」の藤沢とおるなどに似ています。共通しているのは漫画の表現が凄い好きなことが伝わることです。だから少し同人誌っぽい匂いもします。吹き出しの外に台詞をわざわざ手書きで書いていたり芸が細かいです。