丸尾末広 笑う吸血鬼について

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こんにちは。アングラ文化というものがあります。カウンターカルチャーとも言います。大きな流れに与しない、格好良い文化です。僕が初めて触れたアングラ文化は「ダレン・シャン」という児童小説に登場したフリークサーカスでした。奇形の人間、異形の人間が見世物としてサーカスをします。正直その頃の自分が何処まで理解していたのか分かりませんが、暗い闇の世界がこの世の何処かに在るのだろうと思っていました。そして中学生位の時にYOUTUBE丸尾末広の「少女椿」を初めて観ました。その頃は怖い映像などを見漁っていたので、残酷な描写も平気だったのですが、そこでアングラ文化というものを強く意識したと思います。日本では高度経済成長からバブルへと続いていく中で、取り残された人たちが居場所を求めて新しい価値観を探していました。かつては日本でもフォークソングが流行っていたのですが、今は表舞台ではそういう暗い音楽は流行りません。まあ住み分けがきちんと出来ただけで現在でも地下でそういう音楽はあるのでしょうが。余談ですが、押見修造の「ハピネス」に少し似ているなと思いました。こっちの方が先なので押見修造の方が影響を受けたのでしょうが。押見修造も好きなのでいつかちゃんと感想を書きたいです。初期の頃の作品「スイートプールサイド」「ユウタイノヴァ」などは日常のちょっとした変態性を膨らませて作品を作っていた印象ですが、「惡の華」の途中から才能が徐々に開花していき絵柄もどんどん洗練されていって「僕は麻里の中」で完全に技法が完成したと思います。「血の轍」はまだ読んでいないのですが、恐らく面白いと思います。