黒沢清監督作品 Seventh Codeについて

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こんにちは。上に貼ったのは「Seventh Code」(2014)とは関係無い記事ですが改めて黒沢清を観ていて良かったと思う記事でした。というのも僕も全く同じ考えだからです。もしかしたら前に同じようなインタビューを読んで知らずに真似ているだけかもしれませんが僕も拙いながら自分の作品を作る時はあの映画のあれをやりたいとかあの漫画のあれをやりたいとかしかないです。モチベーションがそこ以外に見出だせないからです。それはもっと広く言えばあの映画とか漫画ってこんなに面白いんだよと伝えたい欲求かもしれません。そして「Seventh Code」も今作ろうとしている作品のヒントとして観ました。前に一度観て結末も知っての鑑賞でした。序盤に前田敦子が捕まって袋にされます。物語的には最初から前田敦子はスパイとして鈴木亮平に近付いたことになっていますがこの袋にされたシーンがまるで死人が生き返ったみたいな撮り方をしていてここから彼女が変身したようにも見えます。前田敦子が街をぶっきらぼうに歩いているシーンは外国で日本人が一人でこんな風に歩けたら良いなという欲望のような気もしました。お金がなくて働かせてもらった店の中国人の女性の背格好が前田敦子とそっくりで顔をきちんと見ると違うのですがこういうキャスティングをよく黒沢清はやります。「叫」(2006)の役所広司伊原剛志とか「CURE」(1997)の役所広司萩原聖人とかも顔は全然違いますが雰囲気が似ている二人を並べるのが好きなようです。この映画だと中国人の彼女は世界を変える力が欲しいと言っていてそれは多分トロイメライのことなので前田敦子のもう一つの可能性として似ている彼女がキャスティングされたのかなと思いました。ロケーションのセンスが相変わらず冴えていて一々場所が素晴らしいです。鈴木亮平の住むホテルの延々と奥まで赤いカーテンが風になびいているシーンとか凄いです。前田敦子は演技が上手いとは言えませんが黒沢清が撮ると良く見えます。ラストの叫ぶシーンもちょっとどうかなと思いましたがその先にあの結末があるから撮ったのだろうと思います。話としてはロマン・ポランスキーの「フランティック」(1988 )をやりたかったのかなと思います。