役所広司監督作品 ガマの油について

こんにちは。キャスティングが素晴らしいです。小林聡美八千草薫が個人的に好きなのでまずそれだけで良いです。それから撮影もかなり良いです。撮影監督が栗田豊通という方で非常に均整の取れた画面になっています。ストーリーはあるのですがストーリーよりも編集とか細かい演出が役所広司が出演した映画を彷彿とさせます。全体的に感じるのは黒沢清の「ニンゲン合格」(1998)です。音楽やスプリットスクリーンそれとキャンピングカーは「ドッペルゲンガー」(2003)っぽいです。青山真治の「EUREKA」(2000)も入っている感じがします。音楽をバツっと切る編集や矢沢拓也(瑛太)が死ぬ予感を感じさせる夜の不穏なショットなど凄くセンスが良いです。細かい演出で言えば写真とか電話とかが効果的に使われていて役所広司はこういう映画が好きなのかなと邪推したりしました。この映画は結末に全てが集約していて役所広司の死生観を垣間見れる作品になっています。また生き物が沢山出てきます。