デヴィッド・クローネンバーグ監督作品 クライムズ・オブ・ザ・フューチャーについて

こんにちは。映画館で観ました。ガラ空きだったのでとてもリラックスして鑑賞しました。全く事前情報を入れずにただデヴィッド・クローネンバーグという名前だけで観たので最初は何の話なのか分かりませんでした。デヴィッド・クローネンバーグ黒沢清が「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005)を絶賛していたので観たかった監督でしたがもっと他の作品を観たいと思いました。気になったのはCGがチープだったところです。それもわざとなのかただ予算が足りなかっただけなのか他の作品を観てみないと判断出来ませんが話自体も世界で凄いことが起きていることを一つの街の中で完結させています。それと終わり方があまりにも尻切れトンボだったのでやっぱり予算とかスケジュールとかの問題で色々端折った部分があるのかなと思いました。でもそのある種のB級映画っぽさが映画の世界観を独特なものにしています。観ていてレオス・カラックスとかデヴィッド・リンチとかに似ていると思いました。痛みが無くなった世界というのは多分映画という世界のことだと思いました。ラストには産業廃棄物を消化できる進化を遂げた人間の可能性というのが出てきて上手いこと着地したなと思ったのですがそれにしてもあのラストを思い付いたにしてもそこから臓器のアーティストという設定などは一体何処から発想したのか気になります。それから会話がジョン・カサベテスみたいな即興演出っぽいなとも思いました。出てくる機械が肉体的なのも良かったです。それと蝿の音が時々入っていてそれも気になりました。