こんにちは。ポン・ジュノ監督の「グエムル 漢江の怪物」(2006)を観ました。ディザスター映画なのですが適度にふざけているので何か妙な映画でした。それから最近観た韓国映画がたまたまそうだっただけかもしれませんが、物語が進むにつれ登場人物たちがボロボロに汚れていく映画が多い気がします。ウィリアム・フリードキンの「フレンチ・コネクション」(1971)を観ました。「エクソシスト」(1973)を撮った監督でやっぱり映画が上手いです。カーチェイスというか車と電車ですがそのシーンの緊迫感が凄いです。主演のジーン・ハックマンとデヴィッド・モースは似ています。中田秀夫の「劇場霊」(2015)を観ました。ぱるるの演技は確かに酷いのですが、少し思ったのはこの映画はフラクタル構造になっているのではないかということです。つまり劇中劇の中での最初の主役篠原葵(高田里穂)は現実の島崎遥香であり、流石にあの露骨過ぎる高飛車な態度は創作だろうと思いますが映画におけるキャスティングを壮大に皮肉った作品なのではないかと思いました。ぱるるは演技をしていない演技をしているのか表情が硬直しています。考え過ぎてこうなってしまったのか演技指導でこうなったのか分かりませんがちょっと酷いです。あとやっぱり演技は声が大事です。叫んで声が裏返るのは良くないです。最近週末はamazonプライムでポルノ映画を色々観ているのですが、奥渉の「透明変態人間」(2013)が面白かったです。ポルノ映画は変に作家性を出す作品が多い中、大変気持ち良くエロに振り切っている感じが逆に清々しいです。いや絶対にポルノ映画は低俗に振り切るべきです。演技も決して上手くはありませんがこれぐらいが丁度良いと思います。この作品についてインターネットで調べてみてもあまり評価されてなくて、何かポルノ映画にはまだまだ埋もれている凄い作品がありそうな気がします。阿澄思惟の「禁祀 occult」(2021)で出てきた生物をそれは人間も含めて一つの筒だと、つまり人間を上から見ると食道から肛門まで一つの空洞が開いている筒だと解釈するみたいな話とフラクタル構造がずっと頭に引っ掛かっていて、僕は生物学に興味があるのですが原始生物の姿が正に只の筒であることを知り、またもや生物って何なのだろうと思ってしまいました。関係ないですが野鳥は可愛いです。ツバメとかスズメとかめっちゃ可愛いです。
CANの良いライブ映像を見つけました。そして初めてURLを貼りました。今まで何故していなかったのか不思議ですが、まあ何となくやってみました。1970年の映像でCANのパフォーマンスは勿論のことそれを観る観客のリアクションが面白かったです。前衛的も前衛的な音楽で現代でも全然時代が追いつけてない程のものを、ある者は啞然とした表情である者は狂信的にのめり込み、またある者は周りの反応を伺いある者はそれを理解しようと真剣に観ているという三者三様でした。どちらかというと男性はこれは凄いかもしれない、という感じで女性の方はあまり関心がない感じを受けました。クラウト・ロックという同じ音をひたすら反復する、これも音楽という文化が成熟した結果それの意味を抜き取って要素だけを再構成した現象だと思われますが、改めてCANはドラムのヤキ・リーべツァイトのドラミングが素晴らしいです。一つ一つの音がクリアでグルーヴがあります。ミヒャエル・カローリのギターもいくつ引き出しがあるのか、何しろ曲が長いので脳が麻痺してきてよく分からないのですが、フレーズが被らず的確にサイケデリックです。そしてダモ鈴木は途中で一度だけ日本語を使っていて何か嬉しかったです。80分くらいのライブでしたが観るのにもエネルギーを使いました。本当にこのライブ会場にいた人たちはこれをどういう風に理解していたのか、僕も多分呆然とするばかりでしょうが、何というか音楽の知識がある賢い大人たちが目の前で理解不能な、でも少しだけ断片的にだけその世界を垣間見れるような音楽をやっていて、それをどういう風に表現するのか、それはさっきも書きましたがある者は腕を組みある者は頭を振ってまたある者は友達や恋人に話し掛けたりして、その反応を楽しむためのライブのような気もしました。