岡本螢原作 刀根夕子作画 おもひでぽろぽろについて

こんにちは。高畑勲の「おもひでぽろぽろ」(1991)をまた観ていてやっぱり面白くてKindleで読みました。この原作の「おもひでぽろぽろ」(1987)は宮崎駿がまず読んで良いなと思っていたらしいのですがしかしこれを映画化するのは不可能だと考えていました。そこで白羽の矢が立ったというか宮崎駿が推薦したのが高畑勲だったという流れでジブリで作られたらしいです。如何にも少女漫画らしい余白と内語をふんだんに使った作品ですがこれを宮崎駿高畑勲両人が一定評価していたことはアニメーション畑である彼らに無い自由度を少女漫画に見出したからではないでしょうか。今映画の方の「おもひでぽろぽろ」を観てみると一つの作品の中に全く異なるリアリティを表現していてその両翼の一端として選ばれたのが少女漫画の表現だったということです。僕が最も好きな4組の広田くんとの話も原作ではとてもサラッとした小話ですが映画では凄く丁寧にカットを使って二人の関係を演出しています。