三宅隆太監督作品 呪怨 白い老女について

こんにちは。純粋に怖かったです。ジャンプスケアもガンガンあるのですがそれも含めて怖かったです。三宅隆太は新耳袋とかで多分観ているのですが意識して観たのは初めてでした。またこれも多分ですが黒沢清好きなのが伝わってきました。面白かったのは画面の中でミスマッチを敢えて選んでいるところです。冒頭の不穏な劇伴にサンタのコスプレや老婆にバスケットボールなど敢えてセオリーを外すことで恐怖が増しています。この老婆が個人的に一番怖かったです。冒頭から老婆はメインの幽霊として何度も登場するのですが中盤辺りで生きている老婆がバスケットボールを持って出てくる瞬間が一番怖かったです。それから生理的な恐怖と理性的な恐怖を両方やろうとしているのも良かったです。これは2009年公開だったらしいのですが幼児への性的虐待や首をノコギリで切るシーンの女の子の声と足元のショットまでちゃんとあって凄いと思いました。また恋人同士の甘いキスシーンの後にちゃんと老婆が出てくるのはホラーの教科書のようなシーンでした。ジャンプスケアの時に少しだけズームアップするところがあってそれは黒沢清の「リアル〜完全なる首長竜の日〜」(2013)に似たようなシーンがありました。