クリント・イーストウッド監督作品 アメリカン・スナイパーについて

こんにちは。私事ですがクリント・イーストウッドで初めて観たのがこの「アメリカン・スナイパー」(2014)です。もう一度観ても最初に観た感覚とあまりズレることなく面白い映画です。適度にフィクショナブルでエンターテイメントに振ってあり、敵軍の同じスナイパーの男がちゃんとライバルとして描かれたりします。一昔前ならばこの主人公のクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)の行動原理はもっと英雄然としたものだったと思いますが、この映画では本人も周りにも少し迷いがあります。やはり終盤の子供がロケットランチャーを拾うか否かのシーンはこの映画の白眉です。戦争映画で戦争を肯定も否定もせずなるべく事実に沿って描くことに徹することで、勿論この映画を観て戦争を知ったとなるには流石に早すぎるとは思いますが、人によっては戦争って格好良いなとか恐いなという意識を持てることが大切なのだと思います。僕はこの映画を観て戦争の恐ろしさが初めて身に沁みました。