チャン・ジュナン監督作品 1987、ある闘いの真実について

こんにちは。韓国の民主化運動については無知だったのですが、調べてみるとこの民主化運動以前の韓国は事実上大統領の独裁政権のようなものだったらしいです。韓国の歴史は日本がもし大日本帝国のままで戦争を続けていればそうなったかもしれないもう一つの可能性として考えられます。そしてこの映画で描かれている6月民主抗争によって韓国の民主化が果たされたようです。まず韓国の映画は美男美女ばかりが出てくるという偏見がありましたが、映画が始まって30分くらいむさ苦しい男ばかりが出てきて好感が持てました。本当にヒロインのヨニ(キム・テリ)が出てくるのは映画の中盤くらいで、それまでは灰汁の強い、勿論良い意味ですが俳優たちの演技が見られます。韓国の映画はポン・ジュノくらいしかちゃんと観ていないのですがやはり暴力描写が上手い印象があります。こういうアウトローな主人公チェ・ファン(ハ・ジョンウ)は近年ではあまり見られなくなりましたがやはり格好良いです。日本でも「踊る大捜査線」(1997)や「HERO」(2001)など2000年代初頭くらいに盛んにヒロイックなドラマがありましたが最近は無いのではないでしょうか。少し脱線しますが時代遅れという言葉は最早死語なのではないかと最近思っています。理由はSNSの普及によって田舎と都会の文化レベルが統一されたからです。なので古いストーリーや物語のギミックとかは使っても全然大丈夫だと勝手に思っています。

20230322

昨日書いたことを読み返して言葉足らずでしたが、時代遅れという感覚は周囲と比べて情報が遅れているから恥ずかしいのであって、今はSNSの普及でそれが均されてあらゆる情報が共通認識となってしまった、ということを書きたかったのです。全部観終わりました。冒頭に事実にフィクションを交ぜて作っていると前置きがありましたが、靴の下りとかはスティーブン・スピルバーグの「シンドラーのリスト」(1993)の感動演出でラストに本当の映像が流れるのはクリント・イーストウッドの「ハドソン川の奇跡」(2016)みたいでした。