ジャン=リュック・ゴダール監督作品 気狂いピエロについて

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こんにちは。ゴダール初めて観ました。黒沢清関連の記事を読んでいると、影響を受けた映画監督として必ず名前が上がるゴダールは、いつか観なければ、と思っていてやっと観れました。難解な映画でした。理解の助けに他の方の感想も読みましたが分かったのは引用で出来ている映画だということ、ロードムービーやアクション、メロドラマ、ミュージカルなど様々な映画の要素を十把一絡げにしたものということです。引用で出来ている映像、ということで思い出すのは「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明の発言です。詳しくは覚えていませんが、TVが生まれたときからある世代は過去観た映像をパロディすることでしか新しい映像を作れない世代だ、というような発言でした。引用の面白さ、というのは例えば奥田民生の「マシマロ」のコード進行がVENTURESの「WALK DON'T RUN」のオマージュであることで、僕のような若い世代がVENTURESを知るきっかけになったりします。尊敬の無いパロディも中にはありますが、パロディにはそういう利点があります。映像的に優れているシーンを挙げると、人間の死体が物語の脈絡無く映り込む、夜の車のフロントガラスに映るカラフルな光、縦列駐車している車から前と後ろの車にぶつけて発進する、など格好良いシーンがあります。