最近考えていること

こんにちは。あと一週間で11月です。月の変わり目は新しく目標を立てて、なにかを始めるのに丁度良いのでまた漫画を描けたら良いなと思います。もう大体周りのアイテムも揃って、あとは僕が頑張るだけなのですが。前もこんなことを書いていましたが、やる気が出ないです。もう天に任せます。人事を尽くして天命を待つ、というやつです。なんとなく「梗概」は出来ているのですけどね。この「梗概」は最近覚えた言葉です。あらすじ、という意味ですが、あまり使われない言葉ですね。あとは「スプリングボード」。これは高畑勲著「アニメーション、折りにふれて」でやたら出てきた言葉で、調べてみると、きっかけ、契機という意味でした。難しい言葉を使うと、頭がよく見えるので僕も積極的に使っていきたいと思います。冗談ですが。

大友克洋の「AKIRA」を最近読み返しているのですが、緻密な書き込みの中で太い筆ペンのようなタッチが混ざっていることに気付きました。それが、小島剛夕のタッチに似ていて、ニューウェーブと呼ばれた大友克洋も劇画の影響を受けていたことに何故か嬉しくなりました。「AKIRA」は4巻が一番絵的に好きです。正確には3巻の後半のアキラの覚醒から絵が乗ってきます。読んでいてこれは描くのが楽しいだろうな、と思うくらい魅力的な破壊シーンが続きます。5.6巻も良いのですが、やはり終盤になり体力的にもきつかったらしく、書き込みは少なくなっていきます。4巻の一コマの充実度はとてつもないです。連載を重ねて手練手管もありますし、思い切って余白を大きく残したりする余裕もあります。登場人物の全身を描く、という描き方は、必然的にアングルが引きになり、作者とキャラクターとの距離感が生まれます。客観主義というものです。その関係でメビウスをまた見ていて、やっぱり凄いな、と思います。ジャン・ジローメビウスはフランスのバンド・デシネとかに詳しい人なら絶対知っている名前ですが、一般的な知名度は全然ないですね。滅茶苦茶凄いのですが、絵を描かない人にとってはよく解らないのかも知れません。
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メビウスについて調べていると、YouTubeに原正人という翻訳家の方のチャンネルがあり、そこでメビウスについて色々知りました。この原正人という方はメビウスが来日した際に実際にコーディネートもしたらしく、何冊かメビウスの本の翻訳もしているプロの方です。そのチャンネルの動画で僕が興奮したのは「B砂漠の40日間」という本の紹介です。何故興奮したのか。実はその「B砂漠の40日間」は僕が唯一持っているメビウスの本で、しかもそれが今は絶版になり、入手困難らしいことがわかったからです。僕も本当にたまたまBOOKOFFで見つけて、すぐさま買ったのですが、そんなに貴重な本とはつゆ知らず、凄く得した気分になりました。この「B砂漠の40日間」はその動画の受け売りですが、メビウスが60歳の時に発表した作品です。タイトルの40日、とは新約聖書におけるイエスの40日間断食し、悪魔の誘惑に耐えたというエピソードから採っているのと、B砂漠、という不思議な言葉はフランス語ではデゼルべー、というらしくこれは草取りをするという意味のデゼルべ、という言葉との掛詞になっています。草取りとはマリファナをやめる、という意味です。また全て下書き無しの一発描きというのも驚きました。今改めて引っ張り出して読んでいます。現金ですが、そういわれると凄く見えてきます。大切にしたいです。少し調べるとメルカリで30000円で取引されています。本当に買っといて良かったです。
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2021 1025
原正人のチャンネルでブノワ・ペータース「闇の国々」の解説を見ました。バンド・デシネに対する興味が今再燃しています。やっぱり単純に絵が上手いです。フランスは国家が芸術を保護する国なので、やはり本場の漫画のレベルは高いです。そして欲しいです。動画でも言っていましたが、バンド・デシネの魅力は物質感にあります。つまり本そのもののデザインとか、大きさとかが凄く良いです。欲しいです。バンド・デシネについてもっと調べます。以前も凄くアメコミが欲しかった時があって、その波がまた自分の中に今度はバンド・デシネとして来ています。外国のエキゾチックな刺激を求めているのでしょう。何をいっているんだ、という感じですが。