押井守監督作品 機動警察パトレイバー2について

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こんにちは。押井守は子供の時に観た時の印象と大人になってから観た時の印象が一番変わった作家です。それは「スカイ・クロラ」だったのですが、子供の時に観た感想は退屈な映画、という感じでした。今思えば僕の場合は絵を描くのが好きだったので、映画でもアニメーションを中心に観ていました。その頃は何故かCGはダメで手書きは良いという謎の思い込みがあり、「スカイ・クロラ」のドッグファイトがフルCGで描かれていたこともあまり好きではありませんでした。大人になって見返してみて、何故面白くないと思ったのだろうと本当に驚いたことをよく覚えています。「機動警察パトレイバー2」は前作がエンターテイメントを意識していたのに対して、今作は押井守の私的なフィルムという感じが強いです。押井守の独特な間、台詞が終わったあとの絶妙な間がこの映画でも遺憾なく発揮されています。色々な方の感想を読みましたが、僕はストーリーも去ることながら、映像が優れていると思いました。後藤と荒川が戦争と平和について話しているシーンで映像だけが、スライドショーのように写し出されます。おそらくここのシーンが一番伝えたかったことだと思いますが、この様なスライドショーのようなシーンが幾つかあります。アニメーションなので予算の関係でそうなったのかもしれませんが、とても印象に残るシーンになっています。他にも魚眼レンズのようなショットや、荒川の車での光と闇の演出、武装状態の街に降る夜の雪、アニメーションの光の美しさが際立ちます。哲学的なストーリーも勿論良いのですが、それよりも映像の質感に魅入っていしまいました。あとオープニングのタイトルバックが格好良いです。