ロバート・ゼメキス監督作品 ホワット・ライズ・ビニースについて

こんにちは。ロバート・ゼメキスって何か掴みどころのない感じがします。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)と「フォレスト・ガンプ」(1994)と「コンタクト」(1997)と「キャスト・アウェイ」(2000)は全てロバート・ゼメキス監督作品ですが何か同じ監督とは思えないというかカメレオンみたいに色々な顔がある感じがします。そして「キャスト・アウェイ」の撮影途中に撮られた「ホワット・ライズ・ビニース」(2000)も凄く面白いのですがやっぱりロバート・ゼメキスという映画作家の一つの顔という印象です。タイトルの「ホワット・ライズ・ビニース」は何かが下に横たわっているという意味らしいですがBeneathという単語は初めて聞きました。Wikipediaを見るとアルフレッド・ヒッチコックを意識して撮られたと書かれていて確かにシャワールームとかカーテンの留金が外れるシーンとか登場人物の視点のショットなどはヒッチコックっぽいと思いましたがそれよりもロマン・ポランスキーっぽいなと思いました。それから時間軸が初めから終わりまで一定で回想シーンが一切ありません。最近気付きましたがロマン・ポランスキーの映画も大体時間軸が一定です。気になったのは主人公クレア(ミシェル・ファイファー)とそっくりな顔の調べてみると違う女優で驚いたくらいに似ている愛人のマディソン(アンバー・ヴァレッタ)の存在が映画の途中から曖昧になっていくことです。まあ簡単に言えば憑依している感じです。中盤あたりでノーマン(ハリソン・フォード)を誘うシーン辺りから明らかに変わっています。まあ因縁話なのでそりゃそうだろうということなのですがラストの怒涛の展開とオチが凄く綺麗で良かったです。どうでも良いことですが一回床にカメラが潜り込むという謎のCGがあってあれは何故あんなことをしたのでしょう。終盤にシャワールームで血塗れのハリソン・フォードと身体が動かず水に沈んで行く主人公のカットバックがあって普通ならどっちかが脅かす立場の筈のところを二人とも死にかけているという面白いカットバックがありました。