レオス・カラックス監督作品 汚れた血について

こんにちは。最近ロベール・ブレッソンの「スリ」(1959)を観返しました。スリのシーンだけを諸事情あって観たかったので飛ばし飛ばしでしたがロベール・ブレッソンの記号的な演技はやはり異様でした。そしてマリカ・グリーンが美しかったです。レオス・カラックスの三部作はこの「汚れた血」(1986)以外の2つは観ています。観ていて一番感じたのはロベール・ブレッソンでした。特に殴るシーンとかの記号的な演技や警察に捕まるシーンなどの手のアップなどが似ていました。調べてみるとレオス・カラックスロベール・ブレッソンの「たぶん悪魔が」(1977)が大好きらしいのでやっぱりやりたかったのだと思います。それから出てくる女性が皆魅力的な顔立ちをしています。個人的に主演のジュリエット・ビノシュの顔は人間の顔立ちとして最も理想的な形をしています。時々やる癖で前髪を息で浮かせる仕草が可愛いです。また照明が奥だけに光を当てて手前を真っ黒にするという変わった方法で独特な映像になっています。ここからは全く映画に関係無い話です。こういう作家性の強い映画を観ていて小林聡美が主演していた一連の映画のことを思い出しました。「かもめ食堂」(2006)から「東京オアシス」(2011)までの映画のことです。あれは日本で起こった一種の新しい映画運動だったのではないかと思います。僕はリアルタイムで接していないのでどれだけ影響があったかそもそも話題になっていたのか分かりませんがあれは確かに女性が考える桃源郷のような世界を描いた新しい映画だったのではないでしょうか。

20231026

映画はほとんど黒と白と赤の配色で構成されています。撮影が素晴らしくそれだけでも一見の価値があると思います。