最近考えていること

こんにちは。瀬戸弘司の昔のブログを読んでいて浅野忠信YouTubeに動画を投稿していたことを知りました。3分ほどの短編ですが面白かったです。恐らく瀬戸弘司のシュールな寸劇の元ネタだと思われます。黒沢清の「アカルイミライ」(2002)のドキュメンタリー「曖昧な未来、黒沢清」を観ました。その中で浅野忠信だけが黒沢清の演出の真髄を理解している気がしました。最近ジョン・カサヴェテスについて調べていて彼は俳優が決められた台詞で演技をすることに対して懐疑的だったようです。完全なアドリブということではなく、一応台詞はあってその中で俳優たちがセッションしながら一番自分にとって自然な身体の動きや台詞を探していきながら映画を撮っていたらしいのです。ここで重要なのは俳優は空っぽの状態にならなければ自然な反応が出来ないことです。浅野忠信は日本人の俳優の中でも空っぽな演技が出来る有数の俳優です。そのドキュメンタリーの中で黒沢清がフィクションとドキュメンタリーの境目は無い、みたいな発言をしていて本当そうだよと思いました。観ていて黒沢清の考えるリアルは俳優やスタッフたちに本当に伝わっているのか否か、インタビューを受けている人たちは何言っているんだこの人みたいな反応の人が多かったです。僕は黒沢清の映画の登場人物ほど勿論フィクションの中でですがリアルなキャラクターは居ないと思っています。こういう映画のドキュメンタリーを観る度に映画って作るの面倒くさそうだな、と感じてしまいます。