千野皓司他監督作品 パパと呼ばないでについて

こんにちは。松本人志高須光聖の「放送室」(2001)が好きでよく聴いているのですが、その中で松本人志が好きなドラマだと取り上げていたのがこの「パパと呼ばないで」(1972)です。3話まで観ました。まず1970年代初頭の恐らく東京であろう都会の町並みや家の内装、人々の服装などが興味深いです。それから撮り方が非常に綺麗です。家をレールで横移動撮影したショットがありますがそれが綺麗です。主演の石立鉄男と制作したユニオン映画はこれが三作目のタッグで、慣れているのでしょう演者もリラックスしている感じがします。そして杉田かおるが可愛いです。あともう一つ思ったのは小津安二郎っぽい演出がありました。会話のカットバックなどはドラマなどで今もよく使われていますが、2話の「あたしとどっちが好き?」の寝床での安武右京(石立鉄男)と橋本千春(杉田かおる)のシーンは明らかに「晩春」(1949)の原節子笠智衆でした。確かに涙腺に来るドラマではあります。典型的なホームドラマなのですが例えば1話の「きっと立派に育てて見せる」でチー坊が安武右京と喋らないことを引っ張って物語の緊張感を持続させていたり、2話の「あたしとどっちが好き」では一つの事件を巡って沢山の大人たちがそれぞれの問題を擦る様を滑稽に描いています。そして石立鉄男の豪放磊落なキャラクターが良いです。無口な子どももやっぱり良いです。チー坊も基本的には無口でそれがこちらの想像を掻き立てます。

20230426

8話の「カモメがとりもつ縁かいな?」まで観ました。石立鉄男は少し志村けんが入っています。ホームドラマはやはり二人くらい主人公を好きな女性が居て、一人は中立、もう一人はゲストくらいが丁度良いらしいです。