ジョン・カサヴェテス監督作品 こわれゆく女について

こんにちは。率直な感想を書くとよく分からない映画でした。ここまで年代順に遡って新しい順番でジョン・カサヴェテスの作品を観てきたのですが、「こわれゆく女」(1974)で分からなくなりました。ですが分からないのであって、決して面白くない訳ではありません。映画はどんな風に撮ったとしても気持ちさえあれば繋がる、と何処かで聞きましたが、その場合は分かったとしてもつまらないことになることが多いです。持論ですがひとつでも自分の心に刺さる作品を作っている映画監督の作品は例え分からなくても、絶対に何かしらの意図がある筈だと今分からなくてもいつか分かるようになる筈だ、と信じています。気になるところは多くありました。ジョン・カサヴェテスの作品がドキュメンタリーに近い印象を受けるのは時間軸が常に一定だからです。ニック(ピーター・フォーク)のキャラクターは典型的なアメリカの親父なのか、日本人の僕には少し理解に苦しむところがあります。タイトルはメイベル(ジーナ・ローランズ)のことを言っていて、物語も彼女が狂っていることを示しているのですが、このニックも相当におかしい男でありこれが映画に混乱を来しています。