今敏監督作品 千年女優について

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こんにちは。この作品についての考察は須川亜紀子の「非完結性と女性表象」というPDFが非常に参考になりました。しかし今はインターネットで調べても出てこないので、今回は少し引用して感想を書きます。それから今敏の作品を今回見直してみて、僕は知らず知らずのうちに凄く影響を受けていたのだなと改めて思いました。夢と現実が入り交じるというモチーフや、話の展開の仕方など真似していることが多いことに気づきました。この作品についても書きたいことがありすぎるので少しずつ頭を整理しながら書いていこうと思います。観ていて思ったのは色んなイメージがレイヤーのように重ね合わさってできている、ということです。タイトルの「千年女優」というのは、映画の歴史において繰り返されてきた女性と読み取ることができます。またマッチカットと呼ばれる構図が同じままで場面が転換する、例えば高速道路が病院の廊下になる、爆煙が雲になる、という技法も繰り返さていることを暗示しています。歴史においていつの時代も男と女の関係は変わらないことや、映画、延いてはあらゆる創作物に携わる人たちの日常生活にまで創作が侵食するということも描かれています。女が恋焦がれた男を追うという普遍的なテーマをここまでの完成度で描いた作品は中々ありません。ストーリーも上手く出来すぎています。勿論良い意味です。またアニメーションも美しいです。アニメーターの作品に対しての熱量が伝わります。