クロード・シャブロル監督作品 主婦マリーがしたことについて

こんにちは。TSUTAYAに全然置いていないのでメルカリでDVDを頼んで観ました。一度YouTubeに日本語字幕のない4K画質の本作が上がっていてその映像の美しさに話は分からずとも感動した覚えがあります。個人的にDVDの特典のクロード・シャブロルが本作を観ながら副音声的にこのシーンはこういう意図で撮ったんだという解説が凄く面白かったです。当たり前かもしれませんが本当に些細なことで演出をしようとしているのだなと感心しました。そしてとても熱っぽい語り方にああ映画が真剣に好きなんだなとクロード・シャブロルに親近感が湧きました。その解説でもヒッチコックの名前が出てきましたがマリー(イザベル・ユペール)が若い愛人と出会うシーンでマリーに紗が掛かっていたり留置所の窓から見える月などは完全にヒッチコックだなと思いました。イザベル・ユペールの演技は非常にシンプルです。それはクロード・シャブロルが語るようにこの映画がとてもシンプルに作られているからです。構図も人物の頭まで綺麗に収まるようなショットは少なく少し見切れているものが多いです。まるでそれはドキュメンタリーのように今起きていることを直ぐに撮りましたという印象を受けます。それとやっぱり階段を降りることは世界的にも死を暗示しているのだなと思いました。戦地から帰ってくる夫とか娼婦が出てきたりするところとか全体的に小津安二郎の「風の中の牝雞」(1948)に似ているなと思いました。僕はポール(フランソワ・クリュゼ)の様な登場人物が好きです。編集も結構ざっくりカットするところはカットする感じで凄くテンポが良かったです。