土屋健 古生物たちのふしぎな世界について 

こんにちは。古生物について知りたくて買いました。個人的に面白かったカンブロパキコーペを上に貼りました。古生物のフォルムは少し近未来的です。未来と過去は同じ、ということはつまり歴史は円環であるという証明です。これは当たり前のことかもしれませんが、本の中で引用される論文はもれなく海外のもので、そもそも日本に古生代の地層があるのかないのか分かりませんが日本はそういう研究にあまり力を入れてないのかなとも思いました。文中にもありますが確かに化石として残るものでしか判断出来ないので、正確に生命が誕生した瞬間を知ることは出来ないようです。カンブリア紀は約5500万年続きましたがその悠久なる時間の中の世界のほんの一部の地層から出てくる、さらに全体とは限らず場合によってはその生物の一部からその生物を推測する、という古生物学は本当にジクソーパズルのような凄い学問です。20230511

本当に単純に何も無かった世界に初めての生命が誕生したことを考えたとき、それは黒沢清の「回路」(2001)で武田真治が言うような、ある臨界点に達したものが溢れるような言葉に出来ませんがとにかく不可思議で、例えるなら何かと何かが天文学的な確率で合わさって偶然命が芽吹いてしまったのではないかと思います。100万年とか1000万年あれば生物が進化するのは当然だと思ってしまいますが、それも冷静に考えるとおかしくてその理屈でいえば今この瞬間に僕は鳥になりたいと思えば翼が生えるはずだと、皆さんは頭がおかしいと思われるかもしれませんが、どうして指からビームが出ないのみたいなそれくらい奇天烈なことが実際に1000万年単位では起こっていて、もしそういう力が生命にあるのならばそれは増幅させることが出来る筈だと思ってしまうのです。眼の発達が生物にとって必要だったのは分かります。ですが一番最初に生物に眼が生まれた瞬間は、文章を読んで理解してもやっぱり分かりません。古生物学はある時代のある場所の窓から世界全体を見渡す学問だと書いていましたが、ロングスパンで結果がこうなったからこうなのだ、という理屈は分かってもその過程が謎過ぎてもう誰か早くタイムマシンを開発してください。僕が今好きな古生物はカメロケラスとミメタスターです。最早気持ち悪さを通り越して神聖なようにも見えてきます。