奥田民生 29について

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こんにちは。もう9月になってしまいました。今年は一年が早く感じます。去年は僕にとって初めてのことが沢山あったので割と日々の時間を考えずに忙しく過ごせたのですが。本当に時間というものは意識すればするほど一生では少なすぎると思います。奥田民生は尊敬しているミュージシャンのひとりです。尊敬するというとまるで僕もミュージシャンを目指しているようですが、人間として、ものを創る人間としての生き方に憧れています。ユニコーンを解散して、一年くらい休んだ後に出したソロで一枚目のアルバムが「29」です。前にこのアルバムについてのレビューを読んだときに未だに引っ掛かっている言葉があります。このアルバムが出されたのは1995年で世間ではオウム真理教地下鉄サリン事件阪神淡路大震災などの暗いニュースが席巻していました。そのなかでこのアルバムには一切そういった外の暗い現実の雰囲気がありません。非常に内の精神世界、普遍的で牧歌的な作品になっています。これが格好良いです。たとえ外で如何なることが起ころうとも絶対に変わらないものを持っているということがクリエイターとしてやっぱり凄いと思います。一曲の感想というよりこのアルバムは一枚のアルバム全体で作品になっている印象があります。

2021 0912
奥田民生の「30」というアルバムがこの「29」の対になっている、というか二枚組になっているのですが、音は「30」の方が良いような気がします。何かのインタビューで読んだのですが、「29」は明るい曲が多く「30」は暗い曲が多いみたいです。僕の感想としては「30」はバラエティに富んだ色んな曲が入っていて「29」のような一枚で作品というよりは一曲ずつ独立している印象を受けました。この「29」「30」は次の「FAILBOX」からの音の変遷から外れていて、特別な位置のアルバムです。「FAILBOX」以降のアルバムは音はシンプルに曲調も単純にどんどん洗練されていって、僕が一番好きな「FANTASTIC.OT9」という到達点に辿り着く訳です。