フェデリコ フェリーニ監督作品 サテリコンについて

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こんにちは。まだ全部観ていないのですが書きます。インターネットで他の方の感想も読みましたが大体僕と同じ感想でした。何故途中で書いているかというと、情報量が多すぎるからです。ストーリーはありません。極彩色の衣装の人間がカットを跨いで前景、中景、後景に犇めきあっています。舞台は古代ローマです。今ある道徳や倫理がない世界です。ありとあらゆるタブーを描こうとしている感じがします。また構図の美しさと映っている映像の対比、フェリーニはイタリアの監督なのでルネサンス美術などにもおそらく造詣が深いと思うのですが、ミケランジェロの絵画ような肉体美もあります。とにかく映画で試せる撮り方を全部やろうとしています。黒沢清もいっていましたが、カメラがパンしている時にエキストラがカメラをじっと見つめている、という演出が随所にあります。この演出はカメラの存在を感じさせ、まるで今観ている映像は神の目線であるかのような感じもします。僕も時々考えたりする本当に愚にもつかないこと、脈絡のない支離滅裂なことを映像化しているような気もしました。古代の映像は僕たちの過去の記憶、人間の遺伝子に組み込まれた普遍的な世界です。いつの時代にもこういう話はあるのでしょうね。